英ポンド/円相場は、124~126円水準で揉み合う展開になっている。先月末の欧州連合(EU)首脳会合を経て、欧州債務危機に対する不安感が後退していることが、ユーロ同様にポンド相場もサポートしている。ただ、英金融政策に対する緩和圧力が強く、英金利の上値も重い展開が続く中、特に積極的にポンドを買い進むような動きも見られない。概ね6月下旬以降のボックス圏内の動きに留まっている。
7月4~5日に開催されるイングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)では、資産買い取りプログラムの規模が現行の3,250億ポンドから3,750億ポンドまで拡大する可能性が高い。欧州債務問題が英実体経済に対しても後退圧力を強める中、政策対応が必要とのコンセンサスが形成されている可能性が高い。もっとも、この辺は既にマーケットには織り込み済みであり、MPC後は逆に材料出尽し感からポンドに対するショートカバーが一時的に膨らむリスクを警戒したい。もっとも、マーケットの焦点は、早くもその次の資産買い取りプログラムの規模拡大があるか否かにシフトしている。特に当局者から具体的な発言は出てこない見通しだが、追加の政策対応をイメージさせる動きが見らればポンドの上昇余地は限定されよう。
欧州債市場は落ち着きを取り戻しているが、スペイン債利回りが依然として下げ渋るなど、火種はくすぶり続けている。欧州連合(EU)首脳会合での合意で、少なくとも直ちに銀行破綻といったパニック状態は回避される見通しになっている。その意味で、短期的にはユーロ同様にポンドにも安値是正圧力が強まり易い。ただ、特に債務問題の根本対応が進んでいないことを考慮すれば、一時的な修正圧力との理解で良いだろう。ポンド買いは推奨できず、むしろ戻りがあれば売り込んでいく方に妙味を感じる。
今後1週間の予想レンジは、123.00~126.00円。